DeepSeek(ディープシーク)は、中国・浙江省杭州市に拠点を置くAIスタートアップ企業で、2023年に設立されました。
同社はオープンソースの大規模言語モデル(LLM)の開発に注力しており、特に最新モデルである「DeepSeek-R1」は、その高性能と低コストで世界的な注目を集めています。
DeepSeek-R1の特徴
DeepSeek-R1は、数学や科学的推論、コード生成などの分野で特に高い精度を誇り、OpenAIの最新モデル「o1」に匹敵する性能を持っています。
このモデルは、約6,710億のパラメータを持ち、約14.8兆トークンのデータで学習されています。
さらに、オープンソースのMITライセンスで提供されており、無料で利用可能です。
低コストでの開発とその影響
DeepSeekが注目される最大の理由は、これまでにない低コストで高性能なモデルを開発した点です。
「DeepSeek-R1」の開発費用は約560万ドルとされ、これは他の大規模言語モデルと比較しても驚くべき低コストです。
このコスト削減は、「Mixture of Experts(MoE)」と呼ばれる手法を採用し、効率的な学習と推論を実現したことによります。
この低コスト・高性能のモデルの登場は、テック業界や株式市場にも大きな影響を与えています。
特に、競争の激化や高性能AIチップの需要減少への懸念から、米半導体大手エヌビディアの株価が一時的に約17%(90兆円規模)急落するなどの事態が発生しました。
DeepSeekの設立者と背景
DeepSeekを設立した梁文鋒(Liang Wenfeng)氏は、1985年に中国広東省湛江市で生まれ、中国の浙江大学で電気通信工学を学びました。
その後、2015年にヘッジファンド「幻方量化(ハイフライヤー)」を設立し、その資産を活用してDeepSeekの開発を進めています。
日本語対応と利用方法
DeepSeek-R1は日本語にも対応しており、APIを通じて利用することが可能です。
公式ウェブサイトや関連ドキュメントを参照することで、具体的な利用方法や導入手順を確認できます。
まとめ
DeepSeekは、低コストで高性能な大規模言語モデルを開発し、AI業界に革新をもたらしています。
その最新モデルであるDeepSeek-R1は、オープンソースとして提供され、多くの企業や開発者が活用できる環境が整っています。
今後も、AI技術の進化とともに、DeepSeekの動向から目が離せません。